DJFTの在留許可とは
日本国籍の方は、条約に基づくルートを使って、オランダに住みながら自分の事業を営むことができます。ほかの非EU圏の起業家が受けるポイント制の審査は不要です。英語ではDJFT(Dutch-Japanese Friendship Treaty / Trade Treaty)と呼ばれることが多く、日本語では日蘭通商航海条約にあたります。
オランダ移民局(IND)は、このルートを米国の条約(DAFT)と同じ区分で扱っています。INDの自営業者向けページには、「米国または日本の国籍を持つ方」に共通の条件が一つにまとめて記載されており、実務上も二つのルートは同じ仕組みで運用されています。米国のルートについては、姉妹サイトのDAFTガイド(英語)をご覧ください。
根拠となる条約
法的な出発点は、1912年7月6日にハーグで署名された日蘭通商航海条約です。オランダ政府の条約データベースでは1913年10月9日から有効と記載されているため、「1913年の条約」と書かれることもありますが、同じ条約を指しています。
第1条は、両国の国民が家族とともに相手国に入国し、滞在して商業を営む自由を定めています(フランス語原文からの当サイトによる要約)。条約そのものには、一定額の出資を求める規定はありません。出資の条件はオランダ側の運用によるもので、米国籍の方と同じ投資ルートが日本国籍の方にも適用されています。提携先の会計事務所や複数の法律事務所は、その理由を条約の最恵国待遇条項(第17条)で説明しています。
条約の全文はwetten.overheid.nlで読めます(正文はフランス語、オランダ語訳付き)。
対象となる方
日本国籍を持ち、さらにINDが挙げる次のいずれかに当てはまる方が対象です。
- オランダと日本の間で貿易を行う
- 日本企業で重要な役職に就いている
- 自由業を営む(政府機関や医療分野を除く)
- 自分のオランダの事業に相当額の資本を投資する
起業する方の多くは最後のルートを使います。ほとんどの事業形態で、INDが定める最低投資額は4,500ユーロです。
全体の流れ(6ステップ)
- 要件を満たしているか確認する
- 事業形態を選ぶ(個人事業主またはBV)
- INDに申請し、423ユーロの手数料を支払う。日本国籍の方は事前の入国ビザ(MVV)が不要です
- 許可の決定から6か月以内に、商工会議所(KVK)に登録し、4,500ユーロを出資する
- 開業時貸借対照表で出資を証明する
- 最長2年後、年次決算書を添えて延長申請をする
この許可でできること
自分の事業のために働くことができます。他社に雇用されて働く場合は、雇用主が取得する労働許可が必要です。パートナーやお子さんも帯同でき、自由に働くことができます。詳しくは就労の範囲と家族の帯同をご覧ください。
日本を出る前に
海外への移住には、日本側の手続きも伴います。外務省への在留届、納税管理人の選任、年金の扱いなどです。日本での手続きにまとめています。
情報源によって異なる点
インターネット上のガイドには、手数料や審査期間、延長期間について異なる数字が書かれています。それぞれの違いと公式情報の内容は、DJFTの情報が食い違う点にまとめました。